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テレワークなど在宅勤務をする労働者に支給される在宅勤務手当。割増賃金(残業代)の計算にこの在宅勤務手当は含めなくてはいけないのでしょうか?

今回厚生労働省から公表された通達割増賃金の算定におけるいわゆる在宅勤務手当の取扱いについて(令和645日基発04056号)」には、在宅勤務手当のうち、どのようなものが割増賃金計算の対象となり、どのようなものであれば割増賃金計算から除外することができるのか、その基準が示されています。

以下、今回公表された通達の抜粋になります。

割増賃金計算の基礎となる賃金

割増賃金の基礎となる賃金に算入しない賃金は、

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時に支払われた賃金
  • 一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金

となっています。
在宅勤務をする労働者に使用者から支給される在宅勤務手当については、労働基準関係法令(以下、労働諸法令)上の定めはなく、事業所によって様々な実態がみられます。
仮にこの手当が労働諸法令に規定する賃金に該当する場合には、割増賃金の基礎となる賃金に算入されることとなります(例えば、企業が従業員に対して毎月 5,000 円を渡切りで支給するものは、実費弁償に該当せず賃金に該当し、割増賃金の基礎に算入しなくてはいけません。) 
また、支給される在宅勤務手当が事業経営のために必要な実費を弁償するものとして支給されている場合には、その在宅勤務手当は労働諸法令に規定する賃金には当たらず、割増賃金の基礎となる賃金への算入は必要としません。

実費弁償の考え方

在宅勤務手当が事業経営のために必要な実費を弁償するものとして支給されていると判断されるためには、

・労働者が実際に負担した費用のうち業務のために使用した金額を特定する

その金額を精算するものであることが外形上明らかである 

 

ことが必要です。そのため、就業規則等に実費弁償分の計算方法が定められている必要があり、かつ、その計算方法は在宅勤務の実態(勤務時間等)を踏まえた合理的・客観的な計算方法でなくてはなりません。

実費弁償の計算方法

在宅勤務手当のうち、実費弁償に当たる可能性があるものとしては、

  • 事務用品等の購入費用
  • 通信費(電話料金、インターネット接続に係る通信料)
  • 電気料金
  • レンタルオフィスの利用料金

 

などが挙げられますが、これらが事業経営のために必要な実費を弁償するものとして支給されていると判断されるために必要な在宅勤務の実態(勤務時間等)を踏まえた合理的・客観的な計算方法」としては、以下の方法などが考えられます。

(1)別添の国税庁「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)(以下「国税庁FAQ」という。)で示されている計算方法

(2)(1)の一部を簡略化した計算方法

 なお、常態として当該在宅勤務手当の額が実費の額を上回っているような場合には、この上回った額については、賃金として割増賃金の基礎に算入することとなります。 

(3)実費の一部を補足するものとして支給する額の単価をあらかじめ定める方法

 在宅勤務手当を実費の一部を補足するものとして支給することは、それが実費の額を上回らない限りにおいて、実費弁償になると考えられます。そのため、実費の額を上回らないよう1日当たりの単価をあらかじめ合理的・客観的に定めた上で、当該単価に在宅勤務をした日数を乗じた額を在宅勤務手当として支給することは、実費弁償に該当するものとして差し支えございません。

また、(3)の「実費の額を上回らないよう1日当たりの単価をあらかじめ合理的・客観的に定め」る方法として、通信費及び電気料金については、例えば、次の①から③までの手順で定める方法が考えられる。

① 当該企業の一定数の労働者について、国税庁FAQ問6から問8までの例により、1か月当たりの「業務のために使用した基本使用料や通信料等」「業務のために使用した基本料金や電気使用料」をそれぞれ計算する。 

② アの計算により得られた額を、当該労働者が当該1か月間に在宅勤務をした日数で除し、1日当たりの単価を計算する。

③ 一定数の労働者についてそれぞれ得られた1日当たりの単価のうち、最も額が低いものを、当該企業における在宅勤務手当の1日当たりの単価として定める。

注意すること

すでに割増賃金の基礎に算入している在宅勤務手当(実費弁償に該当するもの)を割増賃金の基礎に算入しないこととする場合、労働者に支払われる割増賃金額が減少することとなり、結果労働条件の不利益変更につながる恐れがあります。労使間で事前に十分な話合いなどを行い、法令等で定められた手続等をしっかり遵守していくようにしましょう

参考サイト

厚生労働省【割増賃金の算定におけるいわゆる在宅勤務手当の取扱いについて(令和645日基発04056号)】

本文:https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T240409K0010.pdf

別添:https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T240409K0011.pdf

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