2024/11/22

厚生労働省から、令和5年11月21日に開催された「第186回 社会保障審議会 医療保険部会」の資料が公表されました。
今回の部会では、医療保険制度改革が議題に含まれており、その中でも特に注目されているのが「高額療養費の見直し」です。
そもそも「高額療養費」とは?

高額療養費制度は、医療機関や薬局で支払った額が高額になった場合、自己負担限度額を超えた分が後から払い戻される仕組みです。
これは、医療費の急な出費によって家計が圧迫されないようにする「セーフティネット」の役割を果たしています。
なぜ見直しが検討されているのか?
実はこの見直し、令和5年末に閣議決定された「改革工程」において、すでに方針として盛り込まれていました。
また、令和5年11月15日の「全世代型社会保障構築会議」でも、複数の委員から、
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年齢ではなく「負担能力」に応じた負担の必要性
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健康な人を含むすべての世代の保険料負担軽減
といった意見が相次ぎ、早急な制度見直しを求める声が上がっていました。
今回示された“検討の方向性”は?
今回の医療保険部会では、以下のような方向性が提案されています:
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自己負担限度額の引き上げ
→ 制度の持続可能性を確保するため、一定程度の引き上げを検討。 -
所得区分の細分化
→ より負担能力に応じた制度設計にするため、所得ごとの区分を見直し、きめ細かな設計に。 -
負担の公平性
→ 単に年齢で区切るのではなく、「支払える人が、より多く負担する」という考え方を導入。 -
施行時期の検討
→ 国民への周知や自治体・保険者の準備期間を確保しつつも、メリットを早期に届けられるよう調整。
今後どうなる?
高額療養費制度は、多くの人に関わる重要な制度です。
だからこそ、制度の持続可能性を維持しながらも、公平で納得感のある見直しが求められます。
具体的な改正内容やスケジュールについては、今後さらに議論が深まっていくものと見られます。